お疲れ様です。元漫画家の江咲桃恵(えざき ももえ)です。
今日はペンネームを実際に使ってみた感想を書きます。
ペンネームとは作家名のことです。
知ってると思いますが、一応。
作家志望の方はペンネームを何にするかって迷いませんか?
私はけっこう悩みました!
悩んだ末に、本名をもじった名前を仮で付けたらそのままデビューする結果に。
で、実際使ってみて、やっぱああすりゃよかったなってのがあります。
それが
本名+ペンネーム
です!
何でかを解説しますね。
あくまで江咲の意見なので、感想やPNの使用感には個人差があります。
過去の自分に言うなら、半分は本名にするのをすすめるぜって話です。
そんなことなくてよって作家さんもいっぱいいるだろうし、基本的にはどんな名前でもいいので、こういう意見もあるのねーくらいに聞いてください。
ハンドルネームとかコードネームの参考にもなるかもなので、オフ会や潜入調査の予定がある方もよかったら~。
■おすすめのペンネームの付け方
先ほども書きましたが、私のおすすめのペンネームの付け方は、
名字:本名 + 下の名前:ペンネーム
です!
仮に本名が「原沢るな」だったら、ペンネームは「原沢らん」みたいに。
原沢(本名)+ らん(ペンネーム)
のスタイルです。
なんでかっていうと、本名とペンネームのおいしいとこ取りができるからです。
特に大きいのが、
・名乗る、呼ばれるときの迷いと違和感を減らせる
・身バレの危険が半分になる
の2点。
まずは実際使ってみての迷いについて。
仕事を始めてみると、「あれ、ここは本名? ペンネーム? どっち?」って迷うシーンが出てきます。
私の場合は、初めて作家として電話したり、編集部が予約してくれたホテルで受付をするときなどに悩みました。
ちなみに、電話はペンネームでホテルは本名名乗りが正解でした。
で、そういう際に本名とペンネームが一緒だと迷いがなくてすんなりいけるわけです。
だいたい名乗るだけなら名字でいけるので。
続いて違和感について。
最初のうちだけ呼ばれ慣れてないのでソワソワします。
ちなみに「ウルトラキュートもえたん」みたいなペンネームにした場合、編集部に電話する際に「ウルトラキュートと申しますが」って名乗ることになりますし、担当さんからも「ウルトラキュートさん」って呼ばれます。
パーティーなどでも「ウルトラキュートもえたん」って名札を付けて過ごすことになりますのでね。
次に、身バレについて。
ペンネーム全て本名のままで活動した場合、有名になればなるほど私生活で漫画家バレする可能性が高まります。
バレたことで優遇されるメリットもあるとは思いますが。
やっぱりプライベートの自由度が下がるのはストレスじゃないかと。
私は経験したことないんで想像ですが!
なので、
名字は、公私共通で使える本名
下の名前は、正体を隠せるペンネーム
の組み合わせがおすすめです。
以下に、本名、ペンネームそれぞれのメリットとデメリットをざっくりまとめときますね。
■ペンネームが本名のメリット
・名前を使う際に迷いがない
・名乗るのも呼ばれるのも慣れている
・仕事外で間違ってペンネームをサインしてしまう事故が防げる
■ペンネームが本名のデメリット
・身バレしやすい
フルネームが本名の場合、過去の知り合いに漫画家なのが知られやすいですし、通販などでも漫画家だってバレることがあります。
■ペンネームが本名じゃないメリット
・身バレしづらい
・好きな名前を使える
■ペンネームが本名じゃないデメリット
・ペンネームと本名とどちらで名乗るか迷うシーンが出てくる
・呼ばれ慣れなくて最初はソワソワする
最後に、名前を考えるときに気にするといいポイントを。
■ペンネームを付けるときの注意点
ダメとかではなく「気をつけてネ」くらいのポイントを何点か。
・読み間違う名前、書き間違う名前
何て読むかわからない漢字や、間違いやすい漢字は要注意です。
「江咲」みたいな名前は「エサキ」と読まれたり「江崎」と書かれるのでやめたほうがいいですよ!
自己紹介するたびにフリガナふるはめになりますからね!
いやほんと、まぎらわしくて申し訳なかったなあと後から思いました。
訂正で先方にお手間かけちゃうので。
ただ、「あのなんか難しい名前の人」って覚えてもらう手もあるので、戦略次第ですね~。
・検索に引っかかりづらい名前
よくある名称と同じ名前にすると、検索結果で表示されにくくなります。
たとえば私が「桃」というペンネームだった場合、検索したら間違いなく食べ物の桃が出てきますよね。
「桃 漫画家」で検索する手もありますが、名前に桃が入った作家さんがヒットすること間違いなし。
自分の名前で検索する、いわゆるエゴサをするときも困ります。
漫画の感想を検索してもなかなか出てきません。
・デビュー雑誌の作家さんとかぶらない
投稿先に同じ名前の作家さんがすでにいると編集さんから変更をすすめられることがあります。
実は、私もデビュー当時に本名に変更しようか担当さんに相談したら、同姓の先生がいるからやめたほうが……と言われて江咲のままにしたのでした。
下の名前は大丈夫だと思いますが、名字だとややこしくなるので。
すでに何年も活動している同士が同じ雑誌に掲載される分には問題ないと思います。
実際に同じ名字の作家さんいらっしゃいますからね。
・作風と合った名前
注意ってほどでもないんですが、ブランディングの一環として作風に合ってるかもちょこっと意識するといいかと。
とはいえ、繊細な作風でゴツいお名前とかもギャップがあっていいなあと思うので。
頭の片隅に置いといてね、ってくらいのポイントでした。
◆まとめ
■江咲的ペンネームのおすすめスタイル
名字:本名 + 下の名前:ペンネーム
■メリット、デメリット
・ペンネームが本名の場合
メリット………迷いがない、使い慣れている
デメリット……身バレしやすい
・ペンネームが本名ではない場合
メリット………好きな名前を使える、身バレしづらい
デメリット……どちらを使うか迷うことがある、はじめは使い慣れない
■ペンネームの注意ポイント
・読み間違い、書き間違いやすくないか
・検索結果に表示されやすいか
・投稿先の作家さんと同姓かどうか
・作風と合っているか
色々書きましたが、基本的には自分が気に入った名前が一番です。
本名だって結婚したり養子になったりして名字が変わることもありますし🍣
ただ、潜入調査ネームは本名じゃないほうがいいかもしれないので気をつけてくださいネ。
使ってみないとわからんことも多いですが、少しでもしっくりくる名前がみつかりますように。
ペンネでも食べながらあれこれ考えてみてくださいね。