お疲れ様です。元漫画家の江咲(えざき)です。
今日はネタをネームに起こすまでを書いてみます。
いろんな方法がありますが、江咲のパターンです。
私は、
ネタ選び→構成→ネーム の順に作ります。
ネームとは、コマ割りや絵・セリフの計画書。下絵の下絵です。
具体的にどんな感じか説明していきますね。
■ネタ選び~構成
まずはネタを選びます。
ネタ帳からネタ候補をピックアップして箇条書きに。
ページ数に関係なく、気になったネタを多めにメモ。
次に、ピックアップしたネタ候補から使うネタをしぼり込んで、描く順番を決めます。
メインキャラの登場回数、ネタのタイプ、全体の緩急などを考えて組み立てます。
ネーム前の準備はこれで終わりです。
ネタをながめてて何か思いついたら、ひと言ふた言メモすることもあります。
■ネーム
描くネタが決まったらネーム作りです。
ネタを元にコマ割り、構図、セリフなどを考えます。
ネタの具体例です。
ネタ帳のメモ書きはこんな感じ↓
「親の顔が見たい。美少女→兄の顔が見たい」
ここからまずは粗(あら)ネームを作ります。
粗ネームは、セリフだけバーッと書きだしたものです。
後からコマ割りと構図を考えて、セリフを削ったり変えたりして本ネームを作ります。
あ、私が勝手に粗ネームって呼んでるだけで正式名称ではないです。ほかの呼び方があるかも。
こんな感じ↓ 見づらいので文字は読まずにサラッと見てください。
アナログ時代のネームなので画質悪くてすみません。
どんな流れになるかわかればいいお試し版です。
大まかに確認したいだけだからコマ割り等は後回しで。
4コマの粗ネームが5コマ以上になることも。
後から削ったりまとめたりすればオッケー。
空いたスペースがあれば思いついたこと、迷ってることもメモったり。
とにかく自由に描き出してたたき台を作ります。
昔はいきなり本ネームを作ってましたが、粗ネームを作ってから清書するスタイルに変更しました。
描いてみないとわからないことも多いので。
手間は増えてもこの段階を入れたほうがかえって効率がよかったです。
手直しした本ネームがこちら↓
これを担当さんに提出します。
担当さんに意見をもらったり相談した末にOKが出たら下絵に入ります。
ちなみに今回のネタは新作立ち上げの際に作ったものなので、紆余曲折あって最終的にこうなりました↓
原稿もアナログだったので、こちらも見づらくてすみません。
キャラも絵柄も変わりましたー。
今見ると完成原稿も直したいところがちらほらありますな。
サブタイトルは「おじいちゃんは応相談」です。
以上、ネタをネームに起こすまででした。
◆まとめ
江咲がギャグネームを作るまでの手順
・ネタ帳からネタを選ぶ
・全体の構成を考える
・粗ネームを作る
・手直しして本ネームを完成させる
ちなみに、ストーリーの場合はネームの前にもっと工程があります。
プロット(構想)、シノプシス(あらすじ)、箱書き(あらすじをふくらませたもの)、台本など。
あ、ギャグでも上記の行程を入れてる作家さんもいるかもですが。
今回はあくまで江咲版でした。
何かの参考になったでしょうか。
漫画の描き方に正解とかないので、色々試してみるのおすすめです。
自分に合う方法が見つかりますように。